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清塚弦楽器工房facebook

よりご覧ください。

添川氏のMessieh  No21

2016.2.17

 第21回目の今日は表板・裏板の側面の仕上げとパーフリングの溝をつく作業となる。

 側板に仮固定した裏板と表板であるが、この側板より出幅を約3mmに統一して、概ね仕上げたところから始まる。これを右サイドを下にして立て、カタカタと音をたてて揺れないように調整する。同じく左サイドも調整する。これが終わるとモールドの付いた側板から裏板・表板をはずし、いよいよパーフリング取り付けのための作業に入る。まず最初にパーフリングカッターで溝を掘るための平行ライン付けをする。次にナイフでそのラインをなぞり、そのラインの間を掘っていく。

 微妙なところなので氏と私の共同作業が続く。ところがこうなると私のやりたがりの虫が止まらなくなる。添川氏しばし傍観の図となる。

 次に蒸気を使って裏板・表板をはがす。これもやりたがりの虫が…。

 コーヒータイムの後はいよいよパーフリング作業へと突入した。パーフリングカッターをそれぞれの板のサイドに当て2枚刃のケヒキの様に並行ラインを引いていく。ここへ来てようやく師がやり方を教え、生徒がやってみるという普通の光景が見えてきた。と思ったのも束の間。C字両端のコーナーはパーフリングカッターを使わず鉛筆書きとなるためまたしても悪い虫が…。というわけで彼の作業の大方は宿題となってしまった。

添川氏のMessieh No20

2016.1.20

 第20回目の今日は表板と裏板のサイドラインの削り出しになる。

 両板を側板にニカワで仮固定し、とりあえず側板より3mmの出幅になるように落とす。この出幅は最終的には2.25mmまでアールを付けながら落としていく。今回は3mmを目指してミニカン及びナイフ・彫刻刀などで削っていく。

 結果から申し上げると遂にスーパー80の添川氏も失敗してしまった。彫刻刀で側板を何か所も傷つけてしまったのだ。ネックの下準備をしていた私は全く気付かず、仕上がりを見て「えっ、エーーーッ」という具合だった。補正ができるかどうか…?さすがに今回は落ちを付ける気力もない。もちろん本人が一番オチツカナイ状態だったが。(ワカッテイタダケマシタデショウカ?)

鎌倉山弦楽器工房の忘年会

2015.12.19

 相変わら(写真の先生をみていただければ)大盛況の忘年会だった。写真メンバーのほかに9名ほどいたような気がしたが。全員がさくらこさんのピアノ伴奏のもとに強制演奏といういつものパターンであった…が、やっぱり楽しい数時間だった。

ちなみな私のつたないVnの演目は

主よ みもとにちかづかん

アメリカ国歌(クラウディオ 川口譲 合奏)

アメージングレース(ふすまなどを元に戻しているときのBGM)

というわけで楽しい宴の夜はふけた。

添川氏のMessieh No19

2015.12.16

 第19回目の今日は表板の仕上げとネックの加工となる。

 裏板同様等高ラインに沿って概ね削り出し、設計図より作成したテンプレートをあててなめらかなラインに調整していく。

 裏板で要領を得た氏は丁寧な仕事を身に着けたようだ。荒堀と荒仕上げを交互に行い掘りすぎに注意している。呑み込みの早さはスーパー80の面目躍如だ。というわけで手持ちぶたさになった私は、氏が途中にしているネックを取り出し、余分な肉をそぎ落としにかかった。2人ともまるで内職をしているような雰囲気になり、氏の現役時代のカメラ業界の話に花が咲いた。そうこうしているうちに、表板を概ねしあげてしまった。スゴッ…。

添川氏のMessieh No18

2015.11.18

 第18回目の今日は側板上面の仕上げと、表板のアウトラインのカット及び削り出しとなる。

 設計図に従いブロックおよび側板をミニガンナで削り出す。その後180番のサンドペーパーの上に押せて左右上下の均等性を見ながら滑らかなラインに仕上げてゆく。

 氏はさすがに削りすぎにならぬよう慎重である。多少の手助けをしながらもなんとかミニガンナの作業を終えた。そしてサンドペーパーの微妙なラインは師匠の作業となった。表板の張り合わせに絡んでくる難しいところであり、師匠風の吹かせ所と張り切った。

 表板のハギは済ませてあり、今日はアウトラインのカットと等高ラインに沿った削り出し作業である。

 氏にとって等高ラインによる削り出しは難しい。ということでまずは裏板同様ところどころを師匠の私が掘り出し、その間を氏が掘り出してゆくこととなった。私の掘り出した高さに合わせて掘ってゆけばいいので、安心して作業をしているようだ。調子が出てきたところでタイムアウトとなり掘り出しは宿題となった。鎌倉彫経験者の氏にとっては楽しみな宿題である。

添川氏のMessieh No17

2015.10.21

 第17回目の今日は側板の整形と裏板の仕上げおよび表板のはぎ作業となる。

 メシアのブロックの高さは概ねアッパーブロック30mm、上下コーナーブロック32mm、ボトムブロック30mmである。裏はフラットにして表だけでこの高低差をつけていく。表板を接着した時に、不具合が起きないように注意して作業しなければならない。

 氏はブロックの削り出しには自信をもって作業を進めている。しかし微妙な傾斜をつけなければならない側板のみの部分に関しては、さすがに手をこまねいているようだ。とりあえずコーヒータイムでリラックスして表板のはぎ作業に切り替えた。はぎ作業とは2枚の板を接着して1枚にすることだ。今回もVSJ会員の和田氏推奨による当て板を使用した。既に平面及び直角出しは師匠(私)の手で作業済みである。ものの2~30分で終えてしまった。残った時間で裏板の仕上げとなった。上部を予定より少し削り過ぎたがスクレーパーによる仕上がりはまずまずだ。

「ウ~ム、私のメシアより数段美しい虎杢…」

添川氏のMessieh No16

2015.9.16

第16回目の今日も前回前々回同様裏板の削り出しである。そろそろ仕上げに近い状況に持っていきたい。今日は私が適切な高さまで数ヶ所削り出し、これに合わせて氏が削っていく作業を行う。

 さすがにここまでくると削り過ぎが怖い。何ヶ所か危ないところもあったが、この30年物の材料をオシャカにしてはなるものかとギリギリのところでクリアしている。そろそろ仕上げの片鱗が見えてきた…ということで上の写真となった。

添川氏のMessieh No15

2015.8.19

 第15回目の今日は前回に引き続き裏板の削り出しになる。等高ラインに沿って概ね高さを決めながら削っていく。

 ボール盤で開けた穴が消えるまで削ってきた。改めて等高ラインを描きひたすらミニガンナで削っていく。あっという間に…というわけにはいかない。慣れないミニガンナの扱いはやはり難しい様だ。よしここまでできた…という写真を載せたかったが今回は『途中経過』という感じの絵面になった。ご容赦ください。


添川氏のMessieh No14

2015.6.24

 第14回目の今日は裏板の削り出しとなる。まずレシピに沿った等高ラインを引く。これに合わせてボール盤で既定の深さまで穴をあける。ミニカンナを使い穴が消えるまで削る。今回は神経が擦り切れる作業はないが、カンナをうまく使えるか否かで労力に大きな差が出る。

 まず等高ラインであるが、当工房使用のレシピによる。次に穴あけはメシアに合うようにレシピよりも若干余裕を持たせてあける。ここまでは氏と師匠の共同作業である。コーヒータイムを挟んでいよいよ削り出しとなった。さすがにスーパー81の添川氏でもミニカンナを初めからうまく使いこなすわけにはいかなかった。しかしこれもまた手作りならではの苦労と楽しみに変えて頑張っている。バイオリン製作者はこうあるべし。まずは私が見習おう。

添川氏のMessieh No13

2015.5.20

 第13回目の今日は表側のライニングの貼り付けと裏板の切り出しである。ライニングの貼り付けは前回で経験済みのため問題はない。裏板の切り出しの最も気をつけなければならない点がボタン部分である。これを切り落とすとその裏板は使用不能になってしまう。今日一番の注意点だ。

 氏も慣れた手つきでライニングの貼り付けをこなしていく。いつもながらスーパー80である。3年で完成させる予定だが、まずは順調に進んでいる。これからは裏板と表板の加工に入る。モールドと裏板の中心を合わせて側板の3mmおよび4mm外側にワッシャーを当ててラインを引く。バンドソーを使って最外殻ラインに合わせてカットしていくのだ。氏とバンドソーの相性は良くなかった。回転する帯状の刃が外れてしまい師匠の登場となった。而してすぐに刃が切れた。おごれる者は久しからずである。幸いにも交換した刃が切れ味鋭く、見事写真に様な仕上がりとなった。

第13回日本バイオリン          製作研究会展示会 2015

2015.5.16

 本日から2日間池袋のセイコーサンシャインサンシャインビル(サンシャインビルではありません)にて、VSJ主催によるバイオリン展示会を開催します。例年と場所は変わりましたが、ミニコンサートなど内容は同じです。ご興味のある方は是非お越しください。パンフレットは以下よりプリントアウトしてください。

 http://www.vsj-japan.com/img/2015ex_icon/flyer2015.pdf

添川氏のMessieh1716 No12

2015.4.22

 第12回目の今日はライニングの作成と貼り付けである。底面側のライニングは既に作成してある。今回は上面のライニングを作ってから底面の接着に入る。氏も底面ですでに経験済みなので、C字コーナーの溝堀とライニングの曲げは単独作業で完成させた。相変わらずのスーパー80だ。今回の試みとしてライニングとモールドの間にクリアファイルをカットして入れてみた。お互いの接着を防ぐ目的だが、結果として成功ではないかと思われる。読者の皆さんもお試しあれ。

 写真のように当工房ではブロックの溝堀にナイフ等で切れ目を入れた後、目立てヤスリを使っている。非常に簡単にきれいな溝が掘れるのでこちらもお試しあれ。

 尚清塚弦楽器工房では生徒募集中である。低価格で懇切丁寧にご指導し、3年かけて1台のバイオリンを完成させる。こちらも是非お試しあれ!

facebookデビュー

2015.4.15

 先日、清塚弦楽器工房がfacebookデビューを果たしました。数日間でたくさんの方が『友達』になってくれました。「みなさんありがとう。」これからはこのブログ『コーヒータイム』と二本立てで当工房をアピールしていきます。これからも清塚弦楽器工房をよろしくお願いします。!!

閑話休題

2015.4.1

 現在作成中のチェロの裏板。ちょっと見えないけれどパーフリング用の溝掘中。慎重で地道な作業を当工房でコツコツやってまーす。


 裏板を買う資金がなく1月以上もこのままの3台のバイオリン(トホホ…)。ところが朗報がやってきた。弦楽器材料卸売りのタツノヤが半額セールを4月17(金)18(土)で行うとはがきが届いた。実は先輩の南氏から先に情報が入り、臨戦態勢となっているところだった。忙しい町内会の理事の仕事も終わったことだし、バイオリン作りもエンジン始動だ。


 私の師齋藤氏が主宰する鎌倉山弦楽器工房、月に1度のターヘ楽団演奏会。写真だけ見ているとつわもの揃いだが、演奏したのはキラキラ星。相当の腕前の諸先輩から初心者まで一緒になっての大合奏。この工房ならではの楽しみだ。

添川氏のMessieh1716  No11

2015.3.25

 第11回目の今日は側板の仕上げとライニングの作成である。側板を見事に垂直に仕上げた氏は、C字コーナーブロックの先端の仕上げに入った。直角のものは当然に直角に仕上げる。この『キヨヅカイズム』が真面目な氏にも脈々と受け継がれている。左右のバランスや切り口のストレートラインおよび垂直性をどこまでも追及する氏の姿勢は正にバイオリン職人のそれである。そして遂に完成したアウトライン。この大きな一歩に、氏も喜びひとしおであった。話はそれるが鎌倉山弦楽器工房で私と同期のF氏などは先生の指示になんだかんだといちゃもんをつける。その度胸たるや大したものであるが、先生も黙ってはいない。かくして隣の部屋まで恒例の雷鳴が響いてくるのである。

 次にライニングを埋め込むためのC字コーナーブロックの溝堀を経て、ライニングの曲げ作業となった。いつものことながらコツをつかむと一気に作り上げてしまう。あまり順当なので少し先生らしくと手を出したのがいけなかった。ポキッと悪魔のような音がした。

「ここは次回までに作っておくから…ハハハ…。」

失敗は成功の基。これもキヨヅカイズムである。


添川氏のMessieh1716  No10

2015.2.25

 久々のブログアップと共に添川氏3か月ぶりの登場となった。第10回目の今回は、側板の貼り付け完成である。具体的には前回残したアンダーバウツのC字側コーナーブロックへの接着とアッパーバウツの取り付け作業をとなる。手順としてはアッパーバウツの曲げ作業が第一だ。氏久々のアイロンベンダーに多少戸惑いつつも徐々に要領を得てきた。何よりすごいのはついに1枚も側板を折ることなく曲げを終えたことだ。常にトラブル続きの私だが、ここは素直に賛辞を贈りたい。続いてアンダーバウツを接着し、アッパーバウツへと移る。アッパーバウツの最上部は両側板が接しない。ネック接続のため10mm程開けて両側板を接着するのだ。氏手順の飲み込みもよくノントラブルで作業を進める。しかして遂に側板取り付け完成となった。下の写真は3日後にシャコマンを外したものだ。添川氏、1年弱の努力の結晶といったところか。私の師匠ならここで必ず「誰のおかげだ!」とドヤ顔をした後「ガハハ…」と豪快に笑い飛ばす。師から比べると私は至って謙虚な人間である。


富士山

2015.1.3

 お正月らしく富士山の写真をアップさせていただきました。本日8時40分ごろのものです。我が家より300mmの望遠で撮ったものです。それでは皆さん、パソコンに向かって合掌。

あけましておめでとうございます

2015.1.2

 今年もよろしくお願いします。元旦の富士山を撮ろうかと思いましたが、ご存じの通り雪降る湘南となりまして本日の撮影となりました。富士山には雲がかかっているのでその隣あたりですね。これは当工房兼自宅からの撮影です。いいでしょ。よろしかったら当工房へ見学兼遊びに来てくださいね。

 そしてもちろん今年もバイオリン製作・弓毛替え・製作指導に力を入れていきますよ。しかしながら相変わらずの貧乏暇なし。チェロの完成とバイオリンアンサンブルの発表会それに通信制大学の卒業がかかっています。いっそのこと仕事を辞めたいところ…。失言、なんとか今年も切抜けていきます。

 シーカヤックの仲間もこのホームページを見てくれているということで、加えてご挨拶させていただきます。今年も朝カヤックして仕事に行くというステータスに浸りたいと思います。たまにはスクールにも顔出しますね。

みなとみらいホールで神奈フィル

2014.11.26

 横浜みなとみらいホール、行ってきました。3階席でしたが音が上に伸びてくる良いホールでしたよ。メジャーホールと比べると一回り小さい感じですがその分音がクリアに昇華してやってくる感じですね。フィンランディアもグリーグのピアノコンチェルトもイメージに近いもので楽しかったな。自宅にあるCDはバレンボイム指揮のフィンランディアですが、今回の方が僕は好きです。ピアノコンチェルトは昨日聞いたCDに近い感じかな。何れも奇をてらわないいい演奏でした。ドボルザークの交響曲第8番は馴染みのフレーズが出てくるたびに楽しんで聴いていました。しかし第3楽章は美しいですね。冒頭のフレーズが後半だめ押しで出てきますがあそこがたまらない。席によってはもっと気持ちを持っていかれるのではと思うとちょっと悔しい感じもしました。それにしてもアンコールまでドボ8の第3楽章とは…。本当のアンコールだ。相棒の嫁さんは前半ウトウトしていたもののやはりドボ8の3楽章は気に入ったようです。中華を食べながらしきりにその話をしていました。ところで今回はいつもの日高屋と違いちょっぴり本格中華(日高屋さんゴメンナサイ)。味と雰囲気がコンサートの余韻を引き立ててくれます。予算オーバーも気取ったブログもたまにはいいですね。

グリーグ ピアノ協奏曲

2014.11.25

 グリーグのピアノ協奏曲聞きました。なんと冒頭は何度も耳にした有名な曲でした。

「これかー。」という感じですね。しかしそれも冒頭のみで他は知りませんでした。いずれにしてもこの曲気に入りました。1楽章は冒頭のフレーズが何度か出てきて楽しませてくれますね。2楽章もやさしくてグリーグのイメージっていう感じ。私のカラーに一番合っているかな。3楽章は途中からゆったりとした美しい調べに変わるけど、あそこは引き込まれますね。うーん、明日が楽しみ。

 ちなみにこのCDは仕事先近くのみなと図書館で借りてきたものです。自称常連です。

添川氏のMessieh1716  No9

2014.11.19

 第9回目の今日はアンダーバウツ(下部側板)の貼り付けである。前回で既に接続面の仕上げと曲げ作業は終わっているので直ぐに接着作業に取り掛かる。本日のポイントは左右の側板の接続面が隙間なく仕上がるところにある。

 にかわ付け、アルコールランプによる炙りそしてカールしたアクリル板を添えてのクランプ止め。作業はいたってシンプルだが、わずかの隙間もなく左右の板を接着させることは意外と難しい。3~4回目のトライで見事にクランプ止めに成功。それが上の写真だ。本来ならコーナーまで接着するところだが、安全を期して今日はここまで。余った時間は裏板のはぎ作業とネックの墨付けだ。はぎでの接着に使用している道具はハタガネのほかVSJ前副会長の和田氏が推奨する当て板。この当て板は自作の物だがとても有効なので是非お勧めである。ネックはテンプレートや既定の数値に従ってケヒキと鉛筆を使い墨付けをする。

 多少難所を乗り越えつつも今日も順調に作業を終えた。実はこの後私の作っているバイオリンもまったく同じ工程に入る。生徒の作品を凌駕して当然と読者は思われるかもしれない。…私もそう願いたい。

 

閑話休題

 コンサートに行ってきま~す。

 

2014.11.26

横浜みなとみらいホール

神奈川フィルハーモニー管弦楽団

シベリウス『フィンランディア』

グリーグ『ピアノ協奏曲』

ドボルザーク『交響曲第8番』

 

 みなとみらいホールも神奈川フィルもお初です。どんな感じか今から楽しみです。実はちょうど1年前に東京芸術劇場で内藤彰指揮東京ニューシティ管弦楽団によるフィンランディアを聴きに行っています。最終稿世界初演ということでしたが僕には普通のフィンランディアとの差が…。あと自然と『ダイ・ハード2』を彷彿してしまうのは不純でしょうか。グリーグのピアノ協奏曲は恐らく聞いたことありません。嫁さんに偉そうなことをいう手前、ここは当然事前チェック。みんな大好きドボルザーク。その中でもいわゆるドボハチの愛称で親しまれている交響曲第8番。これも久々で楽しみですね。今回も相棒の嫁さんと帰りのラーメンをすすりながら「あーだこーだ」と知ったかぶりをしてきます。

 

 今回鎌倉芸術館で開催された第5回手作り弦楽器フェアに出品したのがこの作品。イタリアンレッドの美しい仕上げでしょ?鳴りっぷりが良くて弾くのが楽しくなるバイオリンです。下の写真の一番右に吊ってあるのがそうです。毎日弾いてあげてますよ。

第5回手作り弦楽器フェア

2014.11.3

 鎌倉山弦楽器工房主催、手作り弦楽器フェアに参加してきました。新作バイオリン1台の出品に合わせ、今年も清塚弦楽器工房のデスクを受付横に頂きました。当工房の今年のイベントは3種の弓の毛の弾き比べ体感。モンゴル高級馬毛・シベリア高級馬毛・モンゴルスタンダード馬毛による演奏の違いは引いた人にしかわかりません。しかし演奏者は人それぞれ1番のお気に入りがこれだと言って上機嫌になります。不思議ですね。そして午後には恒例『弓の毛替え実演』も行いました。

 さてメインイベントである今回出品の新作バイオリンはレスポンスが良く、音が前面に広がっていく魅力的なタイプに仕上がりました。とは云うものの午前のカヴァレリア・ルスティカーナとおおとりのアイネ・クライネ・ナハトムジークはそのポテンシャルの?%しか…、トホホ…。唯一の救いは田宮香子先生による試奏。美しく発色のいいメロディが鎌倉芸術館に響き渡りました。(大満足)いずれにしてもヘトヘト状態の中、雪崩れ込むように合奏したアイネクは文化祭さながら(くせになりそう)で、ある意味この弦楽器フェアの象徴?…かな。最後に私の生徒や嫁さんまでも加わった数十人の写真撮影。お祭り騒ぎの様に賑わいながら一大イベントは幕を閉じました。

添川氏のMessieh1716 No8

2014.10.22
 第8回目の今日はアンダーバウツ(下部側板)の作成である。ポイントは側板最下点接合部の整合性である。寸分の隙間なく接合することは、作成する者の命題である。

 まず2枚の板の接合する箇所を互いに直角に仕上げる。そして2枚を合わせては照明にすかして接合部の不具合を確認する。次に接合面の内側のテーパーを取る。いわゆる面取りである。加減の難しい作業であるが、これによりカーブをしながらもピタリと仕上がるのである。接合面が仕上がったらアイロンベンダーによる曲げ作業である。C字部分ほど難しくはないが、ここも気の抜けないところである。

 本日の最初の作業。まずアンダーバウツ貼り付けのためにセンターバウツの先を鋭角に削るのだが、やはり加減の難しいところ。ついつい先生気取りで手を出してしまう。(ここは致し方ないか…)次に接合部のカットと整合性を見ながらの洋ガンナでの削り。本日のキモでありここはピタリと決まらなくては…気が付くと添川氏は見学者となっていた。(致し方ない、致し方ない。)休憩後の側板曲げ作業。氏もC字で経験済みなのでここは積極的に作業をこなす。安心してしばらく見ていた私であったが…、そこはちょっとと思ったときには既にやる気満々であった。(う~ん、こりゃもう1人生徒が…)

 

 

 

閑話休題

2014.10.14
 第5回手作り弦楽器フェアが11月3日に鎌倉芸術館で開催される。今年の出品作品が横のバイオリンだ。今回の作品は音の発色がとても良い1台に仕上がった。全容は是非弦楽器フェアでご覧あれ。

 

 ネックの継ぎ目付近の裏板剥がれの修理。長年剥がれたまま弦を張り続けていたようで、ネックが前のめりになりアッパーバウツが変形したまま癖がついてしまった。ボタン部分を合わせるためには相当の力でネックを後ろに反らせなければならない。しかも圧着時にはアッパーバウツの変形を治しつつネックを最良の位置に保たなければならない。当初の予定よりも遥かに難しい作業となってしまった。2本の手では間に合わず奥の手を使うこととなった。そう、奥さんの手だ。

 

 来春のVSJ展示会へ向けて作品製作が始まった。今回は3台同時進行の予定であるが、果たして…。モデルとなるのはストラディバリウスのメシア&ミラノロそしてニコロ・アマティ1666である。毎度のことで出だしは勢いいいのだが、「アドベンチャーかよ~」と叫ばずにはいられない程の障害が次々とやってくる。この中の1台だけでも展示会までに間に合ってくれれば…。

 ハハハッ、カッコつけました。実を言いますと予算的に1台分がやっとです。

 

 

コンサート行ってきました

2014.10.8

 東京オペラシティー行ってきました。良かったですよー。1曲目、「ああ聞いたことある、この曲」と思ったら『メンデルスゾーン フィンガルの洞窟』でした。(私のクラシックのウンチクはこの程度です。皆さんお察しください。)2曲目3曲目は全く知らない曲。その2曲目でバイオリンソロで出てきた宮崎さん。渋いというよりはやや音量不足なのでは…果たしてコンチェルトは…などと余計な心配をしながら休憩を迎えました。お目当てのバイオリンコンチェルトが始まるとやはりソロの音量が不足気味に…。うーん、ちょっと残念か…?。ところが不思議とこれが大人的な品の良さに変わって感じられるようになったのです。1楽章中盤からはもう釘付けでした。決して主張し過ぎない控えめで品のいい演奏に、聴き疲れすることなくファイナルまで身をひたるようにして聞いていました。アンコールの『愛の挨拶』もポテンシャルの70パーセントぐらいで弾いているのではと思うような、そしてそれゆえに素敵で品のある演奏なのです。大満足。

 ちなみに今回も『相棒の嫁さん』と終わったあとの『日高屋』はお馴染みのワンパターンであります。

 

 

コンサート

2014.10.4
 東京オペラシティーのコンサートに行ってきます。

10月8日(水) 19:00開演

秋山和慶指揮 東京フィルハーモニー管弦楽団

Vn 宮崎陽江

メンデルスゾーン『フィンガルの洞窟』序曲

ラヴェル:ツィガーヌ

ドビュッシー:小組曲

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調

 

東京オペラシティーは2年ぶりです。宮崎陽江さんは知りませんでした。ヴァイオリン協奏曲楽しみです。それでは後ほど感想を…。

 

 

 

修理依頼

2014.9.27

 裏板ネック付近の剥がれ修理である。ミラーで中を確認していないが、各部をノックしたところ不具合が有るのはここだけの様である。ドイツの古いバイオリンということで他にも2箇所ほど修復の跡がある。スチーマーで古い膠を柔らかくし木べらで落としていく。新たに膠を塗って箱閉じクランプで締める。この時ボタンをネックにピタリと合わせるところが鍵になりそうだ。楽しみな仕事である。

 

 

 

添川氏のMessieh1716 No7


2014.9.24

 第7回目の今日はコーナーブロックの残部の削り出しである。センターバウツ圧着のために残しておいたコーナーブロックの残部をアウトラインに沿って底面に垂直に削る。

 ボール盤を効果的に使うことが鍵となるが、まずはアウトライン手前数ミリまでノミで削る。慣れてくると少しずつ削って殆どノミで仕上がるのだが、その少しの加減が分かるまでは力で数ミリを一挙に削ろうとする。氏も例外ではなく結果としてブロックがモールドから剥がれかけてしまった。応急的に瞬間接着剤を着けシャコ万で押さえておく。一時的に作業が中断・・・・、っとこんな時のためにネックがある。今日の作業で出番が来るかもしれないと私がカットしておいたネック。予想通りの登場となった。

 ネック作りはいつ始めても良い作業である。バンドソーで2つに割ったネックの片方に改めてテンプレートを貼り墨つけを行う。次に4つの穴『ペグホール』を開ける。ボール盤には4.5mmのキリを取り付け、ネックをしっかり固定しながら慎重に開けていく。然してその結果が下の写真である。

かんざしにならぬ様垂直の穴あけを完成させたはずだが、結果が分かるのは2年後か・・・・。

 コーヒータイムを挟んでコーナーブロックの続きに入る。接着したてのことを考えるとまだ削り足りなさはあるものの、ボール盤作業にすべきと判断した。180番のシール付きサンドペーパーを金属丸棒に巻くように貼る。これをボール盤に取り付けて最初の写真の様にコーナーブロックを押し当てる。手早くキレイに垂直断面ができる。もちろん仕上げは手作業になるが、これでだいぶ技量と作業量がカバーできる。4箇所全て行うと仕上げは宿題となった。これで次回はアンダーバウツの取り付けとなる。残った時間はネックの削りに当て、今日の作業は終了した。

 なーんだ今回はオチがないのかと思われた読者の方、ご安心ください。氏が帰られ暫くして外に出ると雨が降っていることに気づき、私はあわててバス停まで傘を持っていった。氏は驚くように喜び感謝の言葉を述べられた。私はただ毛替えのお客さんを紹介してくれるという言葉に反射的に体が動いただけなのに。

 

 

 

和田氏推奨のC字側板取り付け

2014.9.2

 添川氏作業の2日後シャコ万を外すとやや側板の接着にズレが生じていた。仕上げを何度も確認したため時間の経過とともに少しずつズレたものと思われる。氏の了承のもと、私が手直しすることにした。スチーマー・ヘラ(のこぎりの刃から作った自家製)・お湯を湿らせるための筆を使って右下のブロックから側板を剥がし、改めて膠で付ける。この時私はC字の内側に当て物をするのだが、今回は和田氏がホームページで紹介していた方法を取った。側板のコグチを当て板をして押してあげるのだ。非常に簡単でカーブにピタリと収まり綺麗に仕上がった。このように和田氏の解説はとても参考になることが多い。興味のある方はVSJのホームページにリンクしてあるのでご覧あれ。

 

 

 

 

添川氏のMessieh1716 No6

2014.8.20
 第6回目の今日は側板C字部分の曲げ・取り付けである。前回カットした側板の上下裏表を確認した後、板を20分ほど水につける。アイロンベンダーを使い熱を加えて、折らない様に板を曲げていく。曲げた側板はブロック部分に膠とシャコ万を使って取り付ける。

 C字の両サイドは急カーブとなるため1.2mmの厚さを更に1mmに減らすわけであるが、どうもあまり減っていない。果たして折れずに曲げることができるのか。さすがに初めての曲げ作業は難しいようだ。位置や充てている時間などぎこちなさが残り、次第に板が固くなってきた。なっ、なんと添川氏、ここでバトンタッチを依頼してきた。師として断る訳にもいかずヒヤヒヤもので後を引き受けた。ボキッとさせる経験だけは豊富な私であるが不思議と神頼みが効き、なんとか折らずに1本目の作業を終えた。すると氏は要領を得たらしく2本目は苦もなくすんなり成功させてしまった。

 

『まさか1本もおらずにC字を曲げるとは…』

 

私の変な焦りを置き去りにして、コーヒータイムの後接着作業に入った。4本の手と9本のシャコ万を使い四苦八苦しながらついに完成した。前半部分の大きな山を2人で越えた感想は「疲れた~」だ。

 

 

 

 

 

弓毛替えご指導

2014.8.17 
 清塚弦楽器工房に大窪瑞麻呂氏がやってきた。氏は鎌倉山弦楽器工房における私の大先輩である。今日は毛替えをマスターするために当工房の門を叩いた次第だ。

 さあそれではご指導致しましょうと予定のプランを話しだしたところ、氏は自らのチェロ弓の毛替えをしたいらしい。う~む、これは困った。とてもじゃないが午後の4時間で終わる代物ではない。しかし本人の要望もよくわかる。考えても仕方ないとすぐに作業にかかった。

 弓の分解、スティック・フロッグなどの磨き・ツヤ出し。馬毛の束ね、フロッグ内の楔の作成、フロッグへの馬毛・楔の取り付け。スライドの取り付け、半月リング内の楔の作成および取り付け。ここまでで既にかなりの時間オーバーとなった。残念ながら本日はここまでである。次回をお楽しみに。と言いたいところだがさすがにこれでは私の指導予定の範疇をはるかに超えてギブアップ状態だ。翌日氏に私の本音をぶつけた上で改めて氏の要望も聞いてみた。その結果私が出した答えは2日かけて有料で指導するシステムを作ることだ。氏にもこのことを伝え私の方の体制を整えて改めてご指導することとなった。後日このホームページに『毛替え指導』欄も掲載予定である。いずれにしても非常に勉強になった出来事であった。

 

 

 

サントリーホールで新日本フィル

2014.7.24

 久々に私の一番好きなサントリーホール大ホールでコンサートを楽しんできた。

 

指揮:大友直人

演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団

プログラム:

グリンカ「歌劇 ルスランとリュドミラ 序曲」

チャイコフスキー「バイオリン協奏曲」

チャイコフスキー「交響曲第5番」

 

 もちろんお目当てはバイオリン協奏曲。「ルスランとリュドミラ」ってどんな曲だろうと思っていたら「のだめカンタービレ」に使われていた曲だった。これには一緒に来た嫁さんも大喜び。続いてみんな大好き「バイオリン協奏曲」。2階席の影響もあるのか美味しいブレンドコーヒーの様なマイルドな演奏だった。ソリストの三浦文彰氏の特徴でもあるのかな。「交響曲第5番」は聞き覚えがなかった。2楽章の旋律の心地よさ、4楽章の颯爽とした気持ちの良さがとても印象に残った。改めてCDで聴きたい1曲になった。

 帰りに新橋の「日高屋」に寄るのがどうも定番になってしまった。

 

 

 

 

添川氏のMessieh1716 No5

2014.6.25

 第5回目の今日はブロックの仕上げからC字側板貼り付けの直前までコマを進める。

 まずは宿題のブロックの削り出しである。テンプレートを当てる。ずれている箇所に青線を引き、改めて垂直を確認しながら削り出す。氏、唐辛子の小瓶にサンドペーパーを巻いて垂直を出しながら削っている。果たして結果は…。C字上部のブロックは見事に決まった。削りしろの多いC字下部ブロックはやはり力を入れたため垂直が崩れた。またアッパーとボトムのブロックには更に歴戦の後が伺える…(さあ、清塚先生の出番だ。)垂直が取れなかったところは、180番サンドペーパーを巻いた円柱をボール盤に取り付け、水平を保ちながらブロックを当てて削っていく。最後に軽くサンドペーパかけて遂にモールド側が仕上がった。

 次に1.2mm厚に仕上げてきた側板をどの様に割り振るかだ。板は曲がりやすい面がある。C字にはこれを利用し、なるべく曲げても折れない方法を採る。そして虎杢の並びを決めて、いざカット。ということで本日はC字板2枚分をカットしたところで終了と相成った。次回曲げと接着に乞うご期待。

 

閑話休題2

 うちの嫁さん連れて行ってきました。コープランド・ベンデレツキ・マルタン・シュニトケ・マルティーヌと予想通りの難解な音楽にそれなりの楽しみ方をしてきました。それにしてもアンコールのチャールストンが一番楽しめたのは私たち夫婦だけだったであろうか…。

 鎌倉山弦楽器工房主催による第5回手作り弦楽器フェアが今年も11月3日に鎌倉芸術館で催されます。今年は現在製作中のチェロを出品予定です。早く仕上げてニスの乾燥期間をなるべく多く取りたいのですが、予定は未定であって~。それと可能でありば今年も弓の毛替えの実演を行いたいと思います。皆さん見に来てくださいネ!

 

 

閑話休題

 現在作成中のチェロのネックの切り落としでバイオリンのネック5本分をなんとか確保した。接点は約3mm程開けたものの厚さ80mmもあるメープル材を切り分けるのは至難の業か。乞うご期待。

 

 6月18日サントリーホールブルーローズ(小ホール)でチューリッヒ芸術大学の若手ホープ等による弦楽アンサンブルを堪能してくる。コープランドやシュニトケの名前ぐらいは聞いたことがあるが、楽曲に覚えはない。マルタンやベンデレツキなどはその名さえ知らなかった。そういう意味でも楽しみなコンサートになりそうだ。

 

 

田中晶子バイオリン・リサイタル

2014.6.7

 本日バイオリニスト田中晶子さんのコンサートに行ってきました。場所は五反田文化センター内の音楽堂です。まだ新しいホールで美しく響きの良いホールですね。アンサンブルなどには非常に良いと思います。今回はVSJ会員の松江さんからご招待をいただき観覧することができたのです。松江さん、ありがとうございました。

 田中晶子さんの演奏はとても柔らかな音楽を奏でる興味深いものでした。私は存じ上げなかったのですが、日本を代表するバイオリニストの一人だったのですね。その田中さんのバイオリンですが裏板に虎杢がないだけではなく、柾目のような線があったのではないかと思います。(私の見間違いかもしれませんが。)「もしかしたら裏板はメイプルではないのでは?」などとついバイオリンに目が…。スミマセン。いずれにしても黒いフチ取りの素敵なバイオリンでした。(使用楽器はテストーレということです。)

 もちろん演奏も最高でしたよ。ヴェルディの歌劇『椿姫』のアリアによる幻想曲もソナタとして日本初公開だということでしたが、馴染みのフレーズがいくつも出てくる楽しめる演奏でした。またツィゴイネルワイゼンも陰影というよりは艶や色彩感のある音が凝縮した圧巻の演奏でした。全体的に暖色系の音ではなかったでしょうか。本当に良かったです。

 

 

添川氏のMessieh1716 No4

2014.5.25

 第4回目の今日はブロックの加工に入る。各ブロックの底面が平板に全面あたっていることを確認する。テンプレートを2本のピンでモールド(内型)に固定しブロックに乗せる。ブロックの上面及び下面にテンプレートに沿って鉛筆で外形を書く。この鉛筆の線を頼りに底面に垂直にブロックを削っていくのである。

 まずはC字の内側である。C字の外側はクランプ固定上まだ削らない。氏にとって初めての外丸のノミだが、相変わらず器用に使いこなしている。ザッと落としたところでボール盤を使いサンドペーパー180番で削った部分を研磨してやる。これでOKとならないところが芸術作品たる所以で、更に細かな手作業で研磨を仕上げていく。ネック側とボトム側のブロックも同様だ。

 この様にして少しずつバイオリンの形につ近づいていくことは氏のみならず誰にとっても喜びだ。次第に熱も入り、宿題も楽しみの一つのようだ。作品展示会にも来て更にモチベーションを上げた80歳は、愚直な手作業による研磨で側板をきれいに厚さ1.2mmに揃えてきた。それも予備を含め6枚も。機械で削る方法ばかり考えている昨今の私…。う~ん、眩しい!

 

 

VSJ 展示会 大盛況の中閉幕

*これら動画は一般公開しておりません。このホームページの中のみでご覧いただけるようになっております。

VSJ 第12回作品展示会 2014

 自由学園明日館講堂は昭和2年に建造された重要文化財です。内外装とも石と木を基調とた趣のある佇いであり、同時に響きの美しい小ホールとなっています。ここに渾身の芸術品として仕上げられた50台余りのバイオリン・ビオラ・チェロが整然とその姿を披露し、そしてその躯体を震わせた魂の響きが館内の隅々に…そして人々の奥底へと優しく浸されていったのでした。

 

 過去最高の入館者数を記録し多くの方々が楽しそうにバイオリン等を試奏する風景は「VSJの本来あるべき姿そのものなのかな。なんかいいなあ。」なんてふと思ってみたりもしました。(うーん、ちょっと雰囲気に浸りすぎだったかな。)

 

 『バイオリンの演奏は三澤裕美子先生、ピアノ伴奏は大瀬戸亜紀子先生。音階、バッハのシャコンヌの冒頭そしてバイオリンの特徴を生かしたソナタ。低音部の響きのふくよかさが特徴で音の柔らかさを目指したこのバイオリンが果たしていかなる音色となるのか…。』なんて多少緊張気味に構えてしまった私でしたが、三澤先生入魂の演奏に本当に救われました。三澤先生ありがとうございました。そして私のバイオリンにもご苦労さんと言いたいです。思いのほか嬉しかったのは演奏後のお客様の反応でした。試奏される方がほぼ途切れることがなく、また1センチほどの山にした名刺が数枚となりあわてて追加しました。

 終盤は会員の誰もが心地良い疲れに包まれていた様です。私もヤング会員たちとすっかり打ち解けて話し込んだり、飲む約束をとりつけるなどして一挙に距離がなくなりました。帰りは嫁さんと「疲れた~疲れた~。」と言いながら駅に向かいました。

 

 

 

VSJ 第12回 作品展示会 2014

 明日より二日間、池袋の明日館講堂で私が所属する日本バイオリン製作研究会による作品展示会が催されます。バイオリン、ビオラ、チェロなど約50台の展示となります。また展示作品によるミニコンサートもあり入場無料ですので、お時間の許す方は是非お越し下さい。

 実は私も新作を展示しようと頑張っていたのですが、未だニス塗りの段階であり残念ながら来年のお楽しみとなりました。ということで今回は昨年6月に完成したバイオリンを展示します。18日(日)13時より私の作品の試奏が行われます。清塚さんファン必聴です。

 

  詳細は以下のとおりです。

 

2014年5月17日(土)18日(日)

10:00~17:00

重要文化財 自由学園明日館 講堂(入場無料)

JR池袋駅メトロポリタン出口より徒歩5分(本当は10分以上)

主催 日本バイオリン製作研究会

 

 

添川氏のMessieh 1716  No3


2014.4.17

 第3回目の今日はモールド(内型)の完成とブロックの接着となる。まずはシャコマンを止めるための中抜きの作業とブロックを収める部分のカットである。氏はボール盤と電動糸鋸を使い順調に中抜きの作業を終えた。続いてブロック部分のカットであるが、ここはできるだけ面に対して直角に仕上げたいところだ。ブロック接着時に影響が出るからである。氏もここには苦戦していた様であるが、それでも遂にモールドの完成に漕ぎつけた。

 さて次はいよいよニカワを使ってのブロックの接着である。多少のトラブルはあったものの見事時間内に写真のように仕上げることができた。ところで最後にその『多少のトラブル』について述べておきたい。ブロック底面の直角出しを氏への宿題にしておいたわけだが、一部に不具合なものがあった。そこで私が先生として手直しをしたわけだがこれが意外とうまくいかない。結局氏に手直しの手直しをしてもらうに至った。多少のトラブルとは私のことである。

 

 

添川氏のMessiah 1716  No2

2014.3.12

 第2回目の今日はブロック作りとなる。添川氏は40年前に既にバイオリン製作の夢を持っており、修理を依頼した工房より材料を入手していたという。よって50年物の材料と考えて良いだろう。目指すはメシア。素晴らしい音色は必然であろう。3年後が楽しみである。

 さて今日のポイントはいかに直角にブロックを作れるかにある。バンドソーで概略の形を形成した後、サンドペーパーを駆使して直角にしてゆくのだが…。僅かな狂いも許さぬ作業を追求した果てに、上の写真の様な夢中顔が出来上がった。実にいいことである、そして完成後の試奏の時にはこれがドヤ顔となる。

 

 

添川氏のMessiah 1716  No1


2014.2.25

 新たに当工房にてバイオリン作りを始めた添川氏である。氏は日本のカメラ業界黎明期においてご尽力された方である。バイオリン作りへの思いは数十年前からであり、本日の第1歩はまさに感慨ひとしおのことと思う。私も全力を挙げて渾身の1台が完成するようご指導したい。さて氏が選んだ設計図はアントニオ・ストラディバリウスのメシア1716である。メシアはドルフィン1714・アラール1715と並びストラディバリウスの最高傑作の1つであると同時に世界最高の逸品である。現在英国のオックスフォードにあるアシュモリアン博物館に収蔵されている。

 さて第1日目は設計図及びポスターをもとにテンプレートを作成し、さらにこれよりモールド(内型)の作成まで及んだ。それにしても器用に道具を扱いながら良いテンポで進めていくものだ。私の同期のF氏などは師に相当…だったのだが。しかしそのF氏もメシアを完成させブラインドテストではNo1の音色を出した。メシア恐るべし。ともかく初めての作業であり本人は相当神経を使ったに違いない。お疲れ様でした。次回はモールドの完成とブロック作りになる。

 

 

あけましておめでとうございます

 

 今年もよろしくお願いします。
 常々忙しい日々を送っている私ですが、

今年は特に忙しい一年となりそうです。

良い弦楽器作りや毛替えをするためにも、

心だけはゆとりを持って過ごしたいと思います。

写真は当工房(兼自宅)から見た風景です。

逗子マリーナの後ろに

江ノ島と富士山を望んでいます。

チョットいい感じでしょ。

「湘南・逗子の弦楽器工房」というイメージで

覚えてくださいね。

 

 追伸

 今年より最高級馬毛の毛替え価格を

4,000円に値下げしました。

是非ご利用下さい。

手作り弦楽器フェアに参加してきました

 鎌倉芸術館で7日に開催された手作り弦楽器フェアに参加してきました。毛替えしたての6本の中古弓の販売、弓の構造・名称を紹介したパネルの展示、そして毛替えの実演を行ってきました。毛替えしたての弓も即時販売する予定でしたが、11時半に退席したため毛の乾きが不十分で販売は断念しました。午後は嫁さん一人でお客様に対応してもらい、慣れない気を使わせてしまいました。ひたすら感謝です。唯一残念だったのは写真撮影を忘れてしまったことです。新たに入手するまでしばらくお待ちください。というわけで、今自宅にあるフェアで毛替えをした弓の写真を載せておきます。フェアの雰囲気ゼロでスミマセン。

 

 

 

予定の一部変更のお知らせ

 

 都合により手作り弦楽器フェアにおけます清塚弦楽器工房の展示は、10:00~11:30までとさせていただきます。また毛替えの実演は状況次第となります。急な変更で申し訳ありません。フェア自体の変更はありませんので、お時間の許す限り楽しんでいってください。

 

 

 

鎌倉芸術館で弦楽器フェア開催!!

 

 12月7日に神奈川県鎌倉市の鎌倉芸術館で第4回手作り弦楽器フェアが開催されます。主催されるのは鎌倉山弦楽器工房です。なんとNHKの取材も来るそうですよ。私もバイオリンを1台展示します。更に今回は清塚弦楽器工房として中古弓の販売も行います。私のストックの中古弓(およそ50本以上)の中から厳選された7本(ビオラ弓含む)を展示即売します。もちろん整備・毛替えを行っての展示ですが、そこは中古なので松脂をつけて全て引き比べてみてください。私自身新品で買ったフェルナンブーコより中古弓の方が良くて常用しているくらいです。もう一つおまけに午後には私の毛替えの実演までする予定です。詳細は以下のとおりです。

 

第4回 手作り弦楽器フェア

日時 平成25年12月7日(土)

          午前10時~午後5時まで

場所 鎌倉芸術館

主催 鎌倉山弦楽器工房